臨床工学技師の仕事とやりがい

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腎臓病の治療について

腎臓を患っている方へ

臨床工学技士が携わる医療行為

医療機器の保守管理・修理

病院内にはたくさん医療機器がありますが、その医療機器を管理・点検・修理をするのは臨床工学技士の仕事です。

臨床工学技士が中心にすべての医療機器を管理することを中央管理といいます。中央管理をする部屋は、「医療機器管理室」などと呼ばれます。この「中央管理」を全面的に任されるのが臨床工学技士です。

臨床工学技士の業務の特性上、他の誰にもできない、一番重要な業務といっても過言ではないと思います。臨床工学技士がまだ法律上誕生していないときは、病院では医療機器は各部署での管理になっていました。

例えば、病棟Aは4台所有、病棟Bは6台所有と、同じ機械でも、病棟によって、違う個数を所有して管理していました。ここでもし、臨床工学技士がいて、中央管理を行ったとすると、これらのシステムが大きく変わります。

まず、病棟ごとの管理になっていた機器は、院内どこでも使える事になり、簡単に貸し出しなども行うことができます。臨床工学技士が一括して機器の貸し出し、返却、点検、修理などの一連の流れに関わることができる事で、臨床工学技士が機器の所在などを把握しやすくなります。

中央管理の一番のメリットは、「無駄に置かれている医療機器をなくすことができる」ことです。

中央管理ではなく、部署別管理だと、どういうことが起こるか。例えば、△△と言う機械を、部署Aで3台、部署Bで5台、部署Cで4台所有していたとします。部署Aは3台全台使用しています。部署Bは2台しか使っておらず、3台余っています。部署Cは5台必要で、1台足りず、頭を悩ませています。

こういう場合、部署Cは、各部署に機器が余っていないか連絡して、結果、余っていた部署Bから1台借りてくる、と言った作業が必要になります。部署B・Cにとっては大変な手間です。ここに、臨床工学技士が登場して、中央管理をしたらどうなるか。

「病院全体で△△という機器を12台所有」という事になり、それを臨床工学技士が一括管理しています。部署Aは、3台必要な為、医療機器管理室から3台借りていきます。部署Bは、2台必要な為、2台借りていきます。部署Cは、5台必要な為、5台借りていきます。

結果、医療機器管理室には、医療機器△△が2台の予備があるわけです。どこの部署から「もう一台借りたい」と言われても、いつでも対処ができるのです。どこにも医療機器が無駄に在庫を抱えている部署も無く、医療機器の適正配置がなされています。

この「医療機器の適正配置」が、医療機器の中央管理の一番のメリットです。

また、臨床工学技士の仕事として、業者のとのやりとりも大きな仕事です。新しい機器が出たり、医師が「こういう治療をやりたい」と言った時に、その治療ができる機器を購入したいと思ったら、デモ機を業者から持ってきてもらい、看護師さん達に使用してもらいます。

一定期間使ってもらい、使っていた部署に意見などを聞き、その機器の評価を行います。評価を行い、「良い」となった時には、事務を通じて見積書を作成してもらいます。

いくら良い機械でも、病院の経済状態にそぐわないような高価な機械は買う余裕がありませんので、見積書を提出してもらい、事務と相談して、その機械を買うかどうか決めます。

「デモ機を看護師に使用してもらう」理由は、現場で医療機器を実際に使うのは、看護師である事が多い為、臨床工学技士が「良い」と思った機種でも、看護師から見れば「使いづらい」と言うことも多々ある為です。

現場での意見をまとめ、「当院に必要」と臨床工学技士が感じたら、稟議書を事務に出し、病院の上層部が検討します。・・・そこから先は、臨床工学技士は手を出せません・・・稟議が通るのを祈るばかりです・・・

また、機器の修理履歴なども把握必要があります。今まで修理を何回行ってきたのか、どこを直しているのか、というのを、機器別に知る必要があります。

それを見て、例えば「半年おきに同じところが故障している機械がある」場合、もうそれは「機械の寿命」と判断し、それ以上修理するより、その機器を破棄して、新しい機械を購入するのが合理的かつ安全だ、という判断を行います。(判断して稟議を出すだけで、実際に決定権があるのは上層部です)

このように、医療機器の管理業務は、中央管理をはじめ、臨床工学技士が中心となって行う大切な業務です。

その為、どのように管理したら他部署がやりやすいか、など、臨床工学技士だけで話し合うのではなく、関わり合う全ての部署とディスカッションし、臨床工学技士がリーダーシップを取り、医療機器管理の仕方を決めたり、改正したりする必要があります。

また、各部署に貸し出している機械にトラブルが起こったり、故障した場合も臨床工学技士の出番になります。そういう場合は即内線電話などで呼ばれ、臨床工学技士が点検します。

このように、直接病棟に行って、機械を点検ことですばやく対処することができる事も、臨床工学技士が病院にいるメリットになります。修理するのに時間がかかったり、特殊な工具が必要な場合は、医療機器管理室までもってきて点検します。

この業務を、例えば外注で、修理・点検を依頼すると、呼び出し料金5000円、作業料金1時間当たり8000円ぐらい取られます。大した作業ではなくても、2万ぐらいは簡単にかかってしまうのです。臨床工学技士が修理すれば、その作業料金は0です。

また、臨床工学技士で対応できない故障でも、業者の方との電話のやり取りのみで解決させることもできます。

看護師なら、「どこがどうとかわからないけど、なんかおかしい」と、機械のどこが故障しているのか解らないことがほとんどですが、臨床工学技士が点検して、原因を突き止め、「ここがこういう風に故障しているのですが、直す方法を教えてください」

と言った、故障状況の詳細を伝える事によって、業者の方も指示しやすくなるのです。「故障箇所を突き止める」と言うのも、臨床工学技士の業務の一つです。

その結果、臨床工学技士では直せなくて、外注での修理になったとしても、故障部位・原因が解っている為、作業時間を大幅に短くする事ができ、時間制である作業料金を安くすることができるのです。

臨床工学技士は、このように「支出を抑える」と言う事にも貢献しています。