臨床工学技師の仕事とやりがい

医療事故を起こさないシステム

腎臓病の治療について

腎臓を患っている方へ

「私」と「臨床工学技士」

進路希望~天職との出会い~

一方、勉学の方はそこそこ、といった感じだったが、高校1年の時に、既に「進路希望」を問われた。自分は何にも考えていなかった為、「公務員はどうだ?」と、実際公務員の父に言われ、なんとなくだが公務員を目指すようになっていた。

しかし、進路指導の先生からは、「公務員は狭き門だから、よほど勉強しないといけないぞ」と言われていた。ところが、高校2年の頃、「ある職業」を知り、自分には「この職業しかない!」と思い、それ一本に進路を絞る事になる。その職業とは、

「臨床工学技士」

実は、高校1年の終わり頃、公務員ではなくて、医療系の仕事に就きたいと考えていた。理由は、自分に持病がある為、医学に興味があったからだ。

ただ、漠然とした思いでしかなく、「医療系の仕事」から何を選ぶか、と言うことも、「自分の学力で狙えるちょうどいい大学偏差値だから」と言うことだけで、薬剤師を選んでいた。薬剤師の事を良く知る為、「日本の国家資格大全集」というような本を買ってみた。

そこで、「臨床工学技士」という職業をみつけたのである。臨床工学技士とは、人工呼吸器、人工心肺などの「生命維持管理装置」を、操作、保守点検・修理する仕事。

私は、元々機械いじりが大好きだった。しかし一番目を引いたのが、「人工透析装置の操作・人工透析業務」という業務内容。私の持病は腎臓病。このまま腎臓が悪くなっていけば、人工透析導入になる。また、今の時点でも、食事制限や水分制限などを行っている。

私は、人工透析業務に携わり、自分の腎臓病の経験を生かして、患者様と「医療者と患者」という関係だけでなく、「患者同士」として係わり合いたい、と思った。そうする事で、患者様を「心から救う」事もできる、と感じた。

実は私が入院していた頃、看護師に不満をぶつけた事があった。それに、看護師は「うんうん、解るよ」と答えた。自分は、「病気になってない人に、なんで俺の気持ちがわかるんだ!?」と憤慨し、その看護師は信頼しなくなった。

しかし、実際に同じ病気を持つ人が声をかけてくれたら・・・?心を開いてくれるんじゃないか?と思った。それが、患者様を「心から救う」事になるんじゃないかと。

また、私は実際に色々な制限をしているので、それに関する知識・どうすればうまくいくか、という経験を持っている。

他の透析医療従事者が、「○○は、摂り過ぎるとこうなるので、制限してください」というのと、自分が「○○食べたいけど、なかなか制限が難しいよね~・・・自分はこんな風にして制限してるけど、結構上手くいってるよ~♪■■さんも、良かったら試してみてね~」と、自分の経験を織り交ぜて話すのと、どっちが説得力あるか。

当然後者だろう。大抵の透析医療従事者は、前者のようにしか言えない。自分が実際に制限した事がないから。でも、自分は、経験談をそこで話す事ができる。

病気持ちというのは、社会ではとかくマイナスに働く事の方が多い。就職活動時も、就職してからも、イメージも良くないことのほうが圧倒的に多い。しかし、透析医療の現場では、自分の経験してきた事全てが仕事に直結する。

他の人にできない事が、自分にならできる。患者様が、その事で笑顔になってくれる。社会ではマイナスになる「持病」が、この職種だとプラスになる。「とにかく医療系の仕事」と思って薬剤師を漠然と目指していたが、これで、はっきりした目標ができた。

「臨床工学技士になって、透析業務の現場に立ち、患者様と『同士』として接すること」

高校2年の秋。臨床工学技士の養成校に進学する事を決めた。