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医療事故を起こさないシステム

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医療事故を起こさないシステム

フールプルーフ

フールプルーフ
フールプルーフ2

昨今では、医療事故がニュースでもいつも大きく取り扱われていますが、実は医療事故を起こさせないシステムがあり、その内のひとつに「フールプルーフ」があります。これは「バカチョン」とも呼ばれており、「間違いを起こさないようにする」というよりも、「そもそも誤った操作などを『できないようにさせる』ようなシステムのことをこう呼びます。

2つ目の写真は、病院内の壁に取り付けられている、「酸素の配管」と「吸引の配管」(医療用語で「パイピング」と言います)で、2つのパイピングが、並んであります。酸素は「緑」、吸引は「黒」と、周りの色も違い、間違いがなくなるようにはしてあるのですが、この写真のように、蓋を開けると、周りの色が見づらくなっており、中の銀色の部分はほぼ同じです。

これを、間違って「酸素」と「吸引」とを間違えて接続してしまった場合、大きな医療事故にもなりかねません。しかし、ここで、冒頭でも述べたとおり、誤った操作などを『できないようにさせる』という「フールプルーフ」が用いられているのです。

そのカラクリを、説明します。

フールプルーフ3

上の写真では、酸素のパイピングに酸素流量計が取り付けられています。では、パイピングに接続されている、酸素流量計の差込口を見てみましょう。

フールプルーフ4

見て分かるとおり、差込口についている小さな丸い突起が、12時方向と6時方向に2箇所ついています。

そして下の写真、酸素のパイピングについている小さな穴が、12時と6時方向、つまり差込口と同じ位置についています。この「パイピング側の『小さな穴』」と「酸素流量計側の『丸い突起』」がパチッとハマり、きちんと差し込めるようになっています。

フールプルーフ5

今度は、「吸引」の方を見てみましょう。

フールプルーフ6

上の写真では、吸引のパイピングに吸引器(痰を吸引する機械)が取り付けられていますが、吸引器のパイピング差込口の写真を見てください。

フールプルーフ

見て分かるとおり、12時方向と9時方向に、丸い突起がついています。更に、下の写真の壁に取り付けてある吸引のパイピングを見てください。

フールプルーフ8

吸引のパイピングにも、吸引器の差込口と同じ位置12時と9時方向に、突起が合わさる穴が開いています。これで、吸引器がしっかりと差し込めるようになっています。

ここで、おそらく、「酸素」と「吸引」を間違えて差込む事のない理由がわかったと思いますが、念の為に説明いたします。

酸素の突起・パイピングの小さな穴は、12時方向と6時方向。

吸引の突起・パイピングの小さな穴は、12時方向と9時方向。

酸素流量計と吸引器を間違って取り付けようとしても、突起と穴の位置が合わないため、差し込めない構造になっています。突起と穴が合わさって、しっかりと差し込める仕組みになっているのですから、突起と穴の位置が違えば、差し込むことができないわけです。

どんなに忙しくても、焦ってしまっていても、酸素の「緑」と吸引の「黒」、また、その上に書いてある文字を見落としても、突起と穴の位置の違いがある限り、酸素と吸引を誤って取り付けてしまう、と言うことはないのです

このように、どのようにしても、「誤った操作」をしたり、そもそも「知識がない」と言う人でも、最終的にはちゃんと正しい操作をすることができる、というシステムのことを、「フールプルーフ」と言います。

また、ここで説明した、配管のポッチと穴の位置が違う、と言うシステムのことを、「ピンインデックス方式」と言います。